新札になれば旧札どうなる？使用期限や交換方法を徹底解説

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新札になれば旧札はどうなる？基本情報と法的効力

新札が発行されると「新札になれば旧札どうなる？」といった疑問を持つ方が急増します。結論から言えば、旧札は法的に今後も問題なく使用できますが、ATMや自動販売機での取り扱い、両替の手数料、冠婚葬祭でのマナー、さらには詐欺のリスクや税務上の影響など、注意すべき点は少なくありません。この記事では、旧札の使用期限や交換方法、新札との違い、詐欺への対策、タンス預金のリスク、キャッシュレス化の裏事情まで、今知っておきたい重要情報をわかりやすくまとめています。正しい知識を身につけ、不安や誤解に惑わされることなく、新札時代を安心して迎えるための手引きとしてご活用ください。

古いお札はこれからもずっと使えること
新しいお札と古いお札の見た目や仕組みの違い
新しいお札が出ても古いお札は無効にならないこと
新しいお札に使われている最新の安全対策のこと

旧札はいつまで使えるの？法的根拠と期限

結論から言うと、旧札は今後も引き続き使用可能です。日本銀行法第46条第2項により、「日本銀行が発行する銀行券は、法貨として無制限に通用する」と規定されています。つまり、法律上、旧札の使用可能期限はありません。

鈴木俊一財務相は2024年5月8日の衆院財務金融委員会で、「7月3日の新札発行後も旧札は期限なく使用可能」と明言しました。これは1946年に行われた新円切り替え（インフレ抑制のために旧札の使用を禁止した措置）とは「全く異なる」とのことです。

実は、明治18年（1885年）に発行された大黒天の1円札でさえ、現在も法的には有効なのです。ですから、「旧札が使えなくなる」という情報は完全な誤りです。安心してください。

新札と旧札の違いは？デザインと偽造防止技術

新札と旧札の最も明らかな違いは、肖像画と偽造防止技術です。新札の肖像は、一万円札が渋沢栄一、五千円札が津田梅子、千円札が北里柴三郎に変更されました。これまでの福沢諭吉、樋口一葉、野口英世から約20年ぶりの刷新となります。

新札には世界初となる3Dホログラムなど最先端の偽造防止技術が導入されています。お札を左右に傾けると、肖像が立体的に見えて回転するという、世界の紙幣では初めての技術です。また、高精細なすき入れ模様や潜像模様、パールインキ、マイクロ文字、特殊発光インキなど、複数の偽造防止技術が採用されています。

さらに、ユニバーサルデザインの観点から、視覚障害者のための識別マークが改良され、額面数字も大きくなりました。新札は「軽快」「現代風」「動的」、旧札は「上品」「温かさ」という印象の違いがあるとされています。

旧札から新札への交換はどうすればいい？

旧札は引き続き使用可能なので、急いで交換する必要はありません。ただし、交換を希望する場合は、銀行窓口で「両替依頼書」に必要事項を記入して提出することで可能です。

一般的に口座を持つ銀行では、1日1回、10枚まで無料で新札に両替可能ですが、銀行によって枚数制限や手数料が異なる場合があります。また、三菱UFJ銀行など一部の銀行では2025年4月28日から旧紙幣の入金に手数料が導入されました。

なお、大量の旧札を一度に銀行に持ち込むと、その資金源について疑問が持たれる可能性があるため注意が必要です。少額ずつ交換するのが安全でしょう。

旧札はATMや自動販売機でも使える？

新札が発行されても旧札の法的効力は失われませんが、年月が経つにつれて旧札は自動販売機やATM等で読み込まれなくなる可能性があります。特に2世代前の旧札（昭和59年発行の紙幣）は、すでに一部の機械で使用できないケースがあります。

具体的には、裏にキジ2羽が印刷された福沢諭吉の1万円札、新渡戸稲造の5千円札、夏目漱石の1千円札などが該当します。これらの旧札を持っている場合は、金融機関の窓口での交換を検討する必要があるでしょう。

無人レジやセルフレジも両方の紙幣に対応することが求められますが、一部の精算機や券売機では旧札が使用できない場合があるため注意が必要です。機械での使用を考慮すると、自動販売機やATMでは新札の使用が推奨されます。

新札への切り替えはどのくらいのペースで進む？

旧札は徐々に市場から回収されていきます。紙幣の寿命は、千円札や五千円札が1～2年、一万円札が4～5年程度とされています。使用された紙幣は銀行を通じて日本銀行に戻り、そこで鑑査（偽札チェックや汚れ・破れの程度、枚数のチェック）が行われます。使用に適さないと判断された紙幣は裁断され、リサイクルされます。

前回の2004年11月の新札発行時は、翌年8月時点で一万円札の切り替え率は55%程度でした。今回もおおよそ2年ほどで目にするお札のほとんどが新紙幣に入れ替わると予想されています。ただし、タンス預金が多い日本では、特に一万円札の入れ替えは滞りがちです。

現在の新札発行から約10ヶ月が経過した時点では、新札の普及が予想より遅く、発行から半年の時点で紙幣全体に占める新札の比率は2割強（前回の2004年発行時の半分のペース）と推測されています。タンス預金の影響やキャッシュレス決済の普及による現金自体の流通量減少が原因と指摘されています。

新札になれば旧札はどうなる？実用面の注意点

古いお札を新しいお札に替える方法や注意点
自動販売機やお店で古いお札が使えなくなる場合があること
古いお札を使った詐欺に気をつける必要があること
お金を家にしまっている人が気をつけるべきこと

新札発行に便乗した詐欺にはどう対処する？

新札発行に便乗した詐欺が全国各地で発生しています。「新しいお札が発行されたので、今までのお札が使えなくなる。職員が自宅まで古いお札の交換に行きます」「国が新紙幣の発行枚数を決める調査をしているので、旧紙幣を自宅で保管していれば職員に預けてください」などの手口が報告されています。

重要な事実として、金融機関や行政機関が旧紙幣の交換を求めて自宅を訪問することは絶対にありません。また、「新紙幣と交換する」「新紙幣の発行に伴いATMが新しくなる。現在のキャッシュカードが使えなくなるので交換する」「その新紙幣は偽札だ」などと言われて交換を求められた場合も、詐欺の可能性が非常に高いです。

このような不審な電話や訪問があった場合は、すぐに最寄りの警察署に相談しましょう。正確な情報を把握し、詐欺などに惑わされないことが最も重要です。

旧札の入金に手数料がかかる？最新情報と対策

三菱UFJ銀行が2025年4月28日から旧紙幣や記念硬貨の入金に対して新たな手数料制度を導入しました。これにより、「旧札が使えなくなるのでは」という誤解も広がりましたが、あくまで入金時の手数料であり、旧札の法的効力には影響しません。

旧札の入金に手数料がかかる場合、対策としては以下の方法が考えられます：

日常の買い物で旧札を使用して自然に循環させる
手数料が発生しない銀行や金融機関を利用する
少額ずつ入金して手数料を最小限に抑える
キャッシュレス決済を活用して現金の使用自体を減らす

なお、三菱UFJ銀行以外の銀行でも同様の手数料制度を導入する可能性があるため、最新情報を確認することをお勧めします。

タンス預金はどうなる？税務上の影響と注意点

新札発行の隠された狙いの一つとして「タンス預金のあぶり出し」が指摘されています。日本銀行の資金循環統計によると、2022年12月末時点で家計部門が保有する現金が前年比＋2.4％増の109兆円と過去最高となっており、一説によれば、日本国内でのタンス預金の総額は約60兆円にも上ると推定されています。

新札発行により旧札の流通が少なくなると、タンス預金を新札に交換する必要性が生じます。その際、大量の旧札を一度に銀行に持ち込むと、その資金源について疑問が持たれる可能性があります。特に申告されていない所得からの資金である場合、追徴課税のリスクがあります。

タンス預金は申告すべき相続財産であり、相続税の節税対策にはなりません。税務調査によって発見される可能性が高く、発覚した場合は重加算税や延滞税が課される可能性があります。新札発行を機に、タンス預金の見直しを検討する良い機会かもしれません。

冠婚葬祭では新札と旧札をどう使い分ける？

日本には、お祝い事には新札を使い、お葬式などの不幸事には旧札を使用するという伝統的なマナーがあります。これは「新鮮な気持ちで」「新しく」「新たな気持ちで」などの意味を込めてお祝い事には新札を使い、御不幸の場合は突然のことが多いため事前に用意できなかったという「思いやり」の心を表すために古札を使うという考え方に基づいています。

具体的には、結婚式、出産祝い、入学祝い、七五三祝いなどのお祝い事には新札が好ましく、お通夜やお葬式などの弔事には使用感のある旧札が適しています。お年玉や習い事の月謝なども、できれば新札が好ましいとされています。

もし新札しかない場合に弔事で使用する際は、少し折り目を入れるなどの工夫をするとよいでしょう。このマナーを知らない方も多く、「お釣りとして新札を受け取ったお客さんが『旧札に変えてください』と店員に依頼したところ、店員が『それじゃダメなんですか？』と返答し、お客さんが怒り出す」といったトラブルも報告されています。

新札発行の裏側にある本当の目的とは？

新札発行の公式な目的は偽造防止とユニバーサルデザインの充実ですが、それ以外にも「隠された狙い」があるとの見方があります。

一つは前述の「タンス預金のあぶり出し」効果です。もう一つの隠された目的として「キャッシュレス化の促進」が指摘されています。経済産業省のまとめによると、2020年の日本のキャッシュレス決済比率は32.5％と、韓国93.6％、中国83.0％など多くの国が50％を超えているのに比べて大きく出遅れています。

新札発行に伴い、自動販売機や両替機、セルフレジなどは新札に対応するための改修を迫られます。財務省の試算によれば、紙幣のデザイン刷新への対応で約7,700億円、500円硬貨の素材・細かな形状変更への対応で約4,900億円、合計で1兆2,600億円のコストがかかる見込みです。さらに、ATMの新札対応コストは全体で約3,709億円と推定されています。

これらの改修コストを軽減するため、事業者がキャッシュレス対応の機器を増やすなど、キャッシュレス化に一段と力を入れるムードが高まるとの見方もあります。つまり、新札発行は間接的にキャッシュレス化を促進する効果があるとされています。

さらに、新札発行が「最後のお札」になる可能性も指摘されています。キャッシュレス化とデジタル円の発行が進めば、すべての経済取引がトレース可能となり、マネーロンダリングや裏金の存在余地がなくなるからです。

一方で、新札発行には大きな経済効果もあります。新札発行への対応コストは約1兆6,300億円と試算されており、これは年間の名目GDPを＋0.27％程度押し上げる効果があります。関連産業への間接波及額も含めた生産誘発額は約3.5兆円、付加価値誘発額は約1.3兆円程度と計算されています。